仮想化ってなに?
どんなメリットがあるの?
わかりやすく教えてほしい
こういった疑問にこたえます。
普段システムエンジニアとして働く僕がわかりやすく解説します。
仮想化とは?
仮想化とはソフトウェアによってコンピュータやネットワーク機器などの機能を「ハードウェア」という物理的な制約を受けずに柔軟に利用できるようにする技術のことです。
仮想化のメリット
仮想化によって、物理的な構成に関係なく、論理的な機器構成を作ることができます。
一番のメリットは資源の有効活用ができる点です。
サーバで言うと、ピーク時のみ資源を多めに割り当てるなどすることによって資源を有効活用できます。
例えば、ネットワーク上に複数のサーバがあったとします。
これらのサーバのピーク時間が異なるとすると、それぞれのサーバのCPUはピーク時はフル稼働していたとしても、それ以外の時間はあまり使わないと言うことがあります。
こういった場合、CPUの使用率は全体的に低くなります。
そこで一台の物理サーバ上で複数の仮想サーバを稼働させることで、無駄を抑えることができます。
各サーバのピーク時に合わせてリソースを割り当てることで使用率を上げることが可能です。
仮想化技術について
仮想化の適用範囲はさまざまです。
ユーザが使うPCからネットワーク、サーバ、ストレージまで多岐にわたります。
ここではネットワークの仮想化について解説していきます。
- PCの仮想化
- ネットワーク経路の仮想化
- ネットワーク機器の仮想化
PCの仮想化
PCの仮想化は一台のPCに複数のPCの環境を仮想的に作る技術です。
具体的には、異なるOSやアプリケーションを使うために利用します。
例えば、Windowsで稼働しているPC上に仮想化ソフトをインストールして、Linuxをインストールし、両方の環境を使うと言うのがあります。
こちらの記事でMacbookにVirtualBoxという仮想化ソフトを使ってCentOSをインストールする方法を解説していますので、仮想化環境を作ってみたいという方は参考にしてください。
ネットワーク経路の仮想化
ネットワーク経路を仮想化する技術は、大きく分けて3つあります。
- VLAN
- リンクアグリゲーション
- VPN
それぞれについて解説します。
VLAN
VLANはLANで使われる仮想化技術です。
「【ネットワークの基礎】VLANとは?わかりやすく解説する!」の記事で詳しく解説しています。
物理的な接続ではなく論理的なLANを定義できるLANのスイッチ機能です。
リンクアグリゲーション
リンクアグリゲーションは、複数の物理リンクを論理的に一本に束ねる技術です。
この技術を使うと、冗長化を図りつつ、上位スイッチを繋ぐ複数の回線の帯域を無駄なく利用できます。
VPN
VPNはインターネットなど他のユーザと共用するネットワーク上に仮想的な専用ネットワークを作る技術です。
インターネット網で構築されるのがインターネットVPNです。
VPN装置でパケットを暗号化することで、不特定多数のユーザが利用するインターネットを専用のネットワークのように使うことができます。
通信事業者のネットワークで構築されているのが一般的にはIP-VPNです。
ネットワーク機器の仮想化
ネットワーク機器の仮想化には大きく分けて2つあります。
- 複数の機器を1つの機器に見せる
- 1つの機器を複数の機器に見せる
複数のネットワークを1つの機器に見せる技術は主にスイッチを対象とした技術でスタッキングと言います。
スタッキングを使って、スイッチ同士を接続する多段構成だったものを1つのスイッチと見立てることで、ネットワークの構成がシンプルになり、運用管理が楽になります。
1つの機器を複数の機器に見せる技術の例としてUTM(統合脅威管理)があります。
例えば一般ユーザと情報システム部門はセキュリティの厳しさは異なります。
UTMを仮想的に分割することで、あたかも複数のUTMを部署ごとに設置したかのように使い分けることができます。
仮想化とは?まとめ
解説をまとめます。
- 仮想化とはソフトウェアによってハードウェアを柔軟に利用できるようにする技術のことです。
- 仮想化のメリット
– 容易に拡張ができる
– 可用性が向上する
– 資源を有効活用できる - さまざまな仮想化の例
– PCの仮想化
– ネットワーク経路の仮想化
– ネットワーク機器の仮想化
以上、お疲れ様でした。
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