保険とは何か
保険とは、損失のリスクを移転させる契約のことです。
契約者は保険料を払い、その代わりに何かあった時に補償を受けることができます。
保険の起源は海洋保険だと言われています。
リスクが高い航海。
船が沈んだ時に備えて、船荷に保険をかけたのが始まりだそうです。
保険の契約者がたくさんいて、実際に保険金が必要となるのはその中の一握りだとしたら、
事業の費用を賄うことができ、保険会社は利益を出すことができます。
このように、みんなでお金を出し合ってリスクに備え得る方式を「プーリング」と言います。
保険料を支払ってから何かあったときに受け取るまでには時間がかかります。
保険会社は集めた保険料を投資にまわし、長期間かけて運用するということをしています。
投資と運用も保険会社の主要な仕事の一つなのです。
あらゆる損害を保証する財産保険
財産保険には大きく分けて2つあります。
1つは不動産の保険でももう1つは動産の保険です。
不動産とは土地や建物のことで、動産とは、自宅の家具、洋服、家電製品など、とにかく不動産以外のほぼ全てを指します。
土地は特別な存在であり、土地の所有者と売買の記録は全て公的に管理されています。
土地と建物はまとめて「不動産」と扱われますが、価値は別々に評価されます。
例えば、かじで建物が全焼してしまった場合、建物の価値はなくなりますが、土地の価値はそのまま残ります。
火災保険はマイホームを守るための最も一般的な保険です。
火災保険は建物とその中にある家財に対する保険であり、火災だけでなく、落雷、爆発、
強風、大雪、盗難などの補償も対象になっています。
火災保険で注意したいのは、家財を保証する場合、「再調達価格」を補償してくれるのか、
それとも、「時価額」での補償なのかという点です。
再調達価格を補償してくれる契約であれば、新しいパソコンを買った値段そのまま払ってもらえます。
一方、時価額を補償してくれる契約なら、5年使ったパソコンの時価は新品時より下がっているので
もらえる保険金は低くなります。
事故に備える自動車保険
自動車を所有したら保険に加入しなければなりません。
自動車の保険には加入が義務付けられている「自賠責保険」と、
任意で加入できる「任意保険」があります。
自賠責保険は対人じこに対して損害を補償する保険であり、
任意保険は自賠責保険で不足している分を補うとともに、車両が損傷した場合や、自分の運転でものを壊してしまった場合なども保証されます。
全ての自動車保険は「免責金額」が定められています。
免責金額とは自己負担額のことです。
修理などで支払う金額が一定の額を超えると保険で補償されるシステムです。
免責額が小さくなればなるほど保険会社の負担が増えるので
保険料が高くなります。
また、補償の上限が決まっている保険もあります。
例えば、盗難の上限額が200万円なら250万円の車が盗まれても200万円までしか補償されません。
日本国民全員が加入する医療保険
医療保険とは、医療費を保証してくれる保険です。
多くの人にとって最も馴染みの深い保険だと思います。
日本は全ての国民が医療保険に加入する「国民皆保険」であり、
会社員であれば社会保険、自営業者などは国民健康保険、公務員であれば共済保険に加入しています。
国民の誰もが、いつでも、またどこでも、必要な時に必要な治療を受けることができるようになっているということです。
万が一のための生命保険
生命保険は被保険者が死亡した時に保険金が支払われる保険です。
今では医療が発達し、若い人が死亡する確率はとても低くなっていますが、一家の大黒柱が死亡した時に備えるという意味で加入する人が多いです。
生命保険は契約期間内に被保険者が死亡した場合に、保険金が保険金受取人に支払われます。
生命保険の契約では、「契約者」「被保険者」「保険金受取人」をそれぞれ指定しなければなりません。
生命保険は大きく分けて2種類あります。
一つは「定期保険」で保証される期間が決まっている保険です。
その期間に被保険者が死亡した場合に、あらかじめ決められた額が保険会社から支払われます。
もう一つは「終身保険」です。
こちらは保証が一生続きます。
保険料は、補償額が同等の定期保険と比べてかなり高く、また保険料が途中で変わることもあります。
終身保険が向いているのは、単なる死亡保証以外の特別なニーズがある人です。
特に事情がなければ、定期保険を選んだほうが良いでしょう。
ここで強調しておきたいのは、若い人は生命保険に入る必要がないということです。
最初に述べたように生命保険は一家の大黒柱が死亡した時に備えるというのが役割です。
もしあなたが独身なら、あなたの収入に頼って生活している人はいません。
また、結婚していたとしても配偶者に稼ぐ力がある場合には不要になってきます。
生命保険の加入を考えるのは、子供ができた時で良いでしょう。
訴訟時に備える賠償責任保険
賠償責任保険とは、自分の行動が他人や他人の資産に損害を与えてしまい、法的に賠償する義務が発生した場合に備える保険です。
企業であれば、自社の製品やサービスが原因で賠償責任が生じるリスクを抱えることになります。
そういう場合は賠償責任保険に加入するべきでしょう。
個人であっても何らかの理由で訴訟になった場合など、訴訟費用を負担しなければならない。
そんな時に賠償責任保険に加入していれば費用をカバーすることができます。
最後に
主要な保険について解説してきました。
自分に必要な保険を適切に選択していかなければなりません。
保険の契約内容をよく確認し、もしもの時に備えましょう。
自分の加入している保険の見直しも定期的に行っていきましょう。
そうすることで無駄な出費を抑えることができます。
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